平成29年度入学式式辞

 満開の桜が甲府盆地を美しく彩るこの佳き日に、山梨大学の学部・大学院及び特別専攻科に入学された1,204名の学生の皆さん、ご入学おめでとうございます。山梨大学の教職員・在学生一同、皆さんを心から歓迎致します。また、ご列席頂きましたご家族の皆さま方に心からお祝い申し上げます。

 これから入学生の皆さんが学ぶことになる山梨大学は、2002年に旧山梨大学と旧山梨医科大学が統合して誕生しました。旧山梨大学は、江戸時代1796年に幕府の学問所であった昌平校の分校として「徽典館」という名称で開講した歴史があります。その後、師範学校を経て、現在の教育学部となり、1949年に工学部が加わり、旧山梨大学となりました。
 旧山梨医科大学は、国が設立する最後の医科大学として開学しました。2002年の統合後、2004年 国立大学法人山梨大学となり、以来本学は組織改革を継続的に行い、2012年には全国に先駆けて学部の改革再編を進め、生命・食・環境・経営などの諸問題に取り組み、解決する人材を育てる「理」・「文」融合型の「生命環境学部」を新設しました。また、昨年4月からは大学院組織の改編により、医学・工学・農学等が融合した「大学院医工農学総合教育部」が開設され、以前にもまして幅広く、より体系的で充実した教育研究を行うことが出来るようになりました。男女共同参画学長行動宣言を出し、理事、監事に女性を1名ずつ登用、さらに医学部臨床系で初めて女性教授も誕生しました。井上克枝先生は、全国ソロプチミスト女性研究者賞にも選ばれています。

 本学のキャッチフレーズは「地域の中核、世界の人材」であります。その重要な使命の第一は、先端的な研究を推進することにより、世界の科学技術の発展に寄与することです。第二は、すぐれた教育による人材育成であります。地域の発展に寄与するだけでなく、世界で活躍できる人材を育てていきたいと考えています。
 この使命を果たすべく、本学では様々な分野で意欲的に研究を進めています。ナノテクノロジー燃料電池研究の世界的拠点である燃料電池ナノ材料研究センターや、クリーンエネルギー研究センター、先端的ライフサイエンス研究を推進している発生工学研究センター、我が国唯一の国立大学ワイン科学研究センターなど、各々大きな成果を挙げています。また、医学系を中心として、融合研究臨床応用推進センターを創設し、神経科学、免疫学、腫瘍学の分野で最先端の研究を行っています。これらの優れた山梨大学の研究は「Nature」という世界No.1の超一流誌に紹介されました。更に医学部では、先端的教育システムとして「リエゾンアカデミー・ライフサイエンス特進コース」という一年生から高度な研究を開始できるシステムを構築しています。このコースを受講した学生は、文部科学大臣賞ほか、数々の賞を受賞するなど高い評価を受けています。工学部ではアクティブラーニング、テニュアトラック制度をいち早く取り入れ、教育研究面で大きな成果をあげています。
 また、医学部附属病院は、特定機能病院として高度で安全な医療を実施し、日本医療機能評価機構から極めて高い評価を受けています。
 一昨年6月には新病棟が完成し、昨年1月には天上吊り下げ型MRI装置、ハイブリッド手術室、内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」など高機能の手術設備や、広くて清潔、居心地の良い患者のニーズに応えた病棟が稼働開始しています。医療安全対策、感染対策も万全であり、全国でも屈指の高度な医療を提供する病院であります。

 さて、一昨年秋、山梨大学に大変素晴らしい、嬉しいニュースが届きました。本学ご出身の大村智先生のノーベル賞受賞決定のお知らせでした。1958年、本学教育学部の前身である学芸学部を卒業された大村智先生が、イベルメクチンという寄生虫病の特効薬の発見で、日本人で3人目のノーベル医学・生理学賞を受賞されると云う吉報、現在、厳しい環境におかれている地方国立大学にとってこの上ない朗報でありました。教職員一同そして学生にとって大いなる誇りと励みになりました。
 このご受賞を機に、山梨大学として大村先生に敬意を表し、一昨年、10月『山梨大学特別栄誉博士』の称号を贈呈させて頂きました。また、ご受賞をきっかけとした本学の取り組みとして、大村先生に継ぐ次世代の若手研究者の育成を推進するとともに、末永く先生のご功績を顕彰するため、昨年度、山梨大学大村智記念基金を設立し、早速新入生18名に奨学金を給付いたしました。また、図書館にも石黒光二氏作の、先生の立派な胸像が設置してあります。外からもご覧いただけるよう、工夫しています。

 山梨県は風光明媚な地であり、移住希望調査では、全国第一位に輝きました。皆さんは、このような素晴らしい環境の山梨県で4年ないし6年学ぶことになります。
 これからの一年間は、甲府キャンパスで全学共通の科目を受講することになります。大村先生から頂戴した言葉のひとつ「一期一会」の精神で、目標も考え方も異なる他学部の学生と積極的に交流を深め、心を開いて語り合える友人をたくさん作って欲しいと思います。更に、スポーツ・読書・旅行・芸術など、皆さんの進む専門分野によっては直接関係のない分野にも興味をもって、教養を深め、人間としての豊かさを培って頂きたいと思います。
 大学院や特別専攻科に入学した皆さんは、更に高度な専門知識と国際的なコミュニケーション能力を身に付けて下さい。国際的な視野に立ち創造的な研究を推進する優れた研究者、高度な専門職業人として、社会の中核を担う人材に成長して頂きたいと願っています。

 今年も学部や大学院に世界10ヶ国から43名の留学生を迎えました。
 留学生の皆さんのために、ここから少し英語でスピーチします。

 To all the international students here today, we would like to welcome you to Yamanashi. You have come from all over the world, including Bangladesh, Brazil, China, India, Indonesia, Malaysia, Nepal, Pakistan, Republick of Korea and Vietnam.
 It is our great pleasure to have you here. We sincerely hope that you will enjoy campus life here in beautiful Yamanashi.
 We will endeavour to do our very best to facilitate your educational needs, and help with your career development.
 We hope that your stay at our university will be a successful one.
 Thank you.

 最後になりますが、本日、ご臨席を賜りましたご来賓の皆様方、地域の皆様方、またご家族の皆様方には、入学生の皆さんを今後共あたたかく見守って頂きますように、また、本学へも引き続きご支援賜りますように、お願い申し上げます。
 本日、山梨大学に入学された1,204名の皆さんとそのご家族の皆様方に、今一度心からのお祝いを申し上げ、式辞とさせて頂きます。

平成29年4月6日
国立大学法人山梨大学
学長 島田 眞路