連続市民講座(2018)

テーマ

「知る喜び~ひと・くらし・けんこう~」

 山梨大学は今年度も読売新聞甲府支局と共催し、「知る喜び〜ひと・くらし・けんこう〜」と題した全9回の連続市民講座を開催します。本学では人や暮らしや健康などに密接に関わる様々な研究が行われています。放射線医療や観光、健康長寿、高度なロボット、血小板の役割、災害への備え、救急医療、藤原道長の素顔、栄養情報の活用法――。本学教員がこれらをテーマにとりあげ講義します。
 第1回講義は、山梨大学医学部附属病院放射線部 荒木 拓次准教授を講師に、「放射線医学~「放射線」を使ってできること~」と題して行います。
 聴講は無料です。4月から来年3月まで毎月(8月、11月、1月を除く)第3土曜日に山梨大学の教員が登壇し、専門の分野を図解などを用いて分かりやすく解説します。7回以上出席した聴講者には修了証書「Master of Delight in Knowledge」を授与させていただきます。
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日時・場所

開催日 4月〜来年3月まで毎月(8月、11月、1月を除く)第3土曜日 (全9回)
会場 山梨大学 甲府東キャンパスA2−21教室(地図
定員 330人
時間 午後1:30〜3:00まで(午後1時開場)
受講料 無料

申込方法

申込が無くても聴講は可能です。
準備の都合上、第1回の講義については葉書・封書の郵送、電子メール、FAXによる事前申込を受け付けております。
受講希望日・住所・氏名・年齢・電話番号を明記の上、下記宛先へ送付してください。

葉書・封書の宛先:〒400−8510 甲府市武田4−4−37 
山梨大学教務課「山梨大学教務課連続市民講座担当」

電話の場合:055−220−8043
「山梨大学教務課連続市民講座担当」

FAXの場合:055−220−8796
「山梨大学教務課連続市民講座担当」

電子メールの宛先: koukai-kouza@(アットマーク)yamanashi.ac.jp
題名は「連続市民講座申し込み」   

連続市民講座のスケジュール

開催日 講義題目 職名  講師名
 1  4月21日
(土)
放射線医学
~「放射線」を使ってできること~
医学部 准教授  荒木拓次
 「放射線」と聞いて、どのようなイメージをお持ちでしょうか。日本では、原子力発電所の事故の経験などから放射線被曝(ひばく)の負のイメージを先に思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。確かに無秩序な放射線は危険なものですが、放射線を正しく使うことにより、私たちは様々な恩恵を受けることができます。
 体を切らずに病気の状態を見る放射線診断、体を切らずにがんを治す放射線治療、血管の中から治療する画像下治療(IVR)、体の機能を画像で見る核医学などの放射線を使った医療は、日常の医療にはなくてはならないものとなっています。
 今回、被曝という負の側面とその一部の誤解も解きつつ、レントゲン博士のX線発見から最新技術まで、放射線がどのように医療に利用され、どのように日常診療を支えているのかを分かりやすく説明します。
開催日 講義題目 所属 職名 講師名
5月19日
(土)
なぜ訪日観光客はこんなに増えているのか?
~観光のチカラとその未来~
生命環
境学部
教授 田中 敦
 観光を取り巻く環境はここ数年で大きく変化し、2017年の訪日客数は2869万人と5年前から3・4倍に急増しています。日本人が海外へ出国した1789万人よりも1080万人多い数字です。
 リピーターを中心に、東京や京都、大阪などの観光都市から地方へと訪れる範囲を拡げ、外国人観光客数が日本人観光客数を上回る地域も出現しています。
 日本の楽しみ方も自然や歴史、グルメといった定番ものから、アニメやドラマの聖地を訪れる「コンテンツツーリズム」や、日本の文化を体験する「コト消費」まで多様化しました。「インスタ映え」する写真は、毎日世界中にソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などを通じて発信されています。
 訪日客は日本のどこに魅力を感じ、何を求めているのでしょうか。観光の潮流をグローバルな視点から整理し、観光立国政策や地方創生を推進役として期待されている観光の「チカラ」、未来に向けた可能性と課題について考えていきます。
開催日 講義題目 所属 職名 講師名
3 6月16日
(土)
Cool(動く、食う、寝る:くうる)に決めて健康長寿
~元気で長生きの秘訣は身近なところにある~
教育
学部
教授 小山勝弘
 世の中には「便利なモノ」があふれています。そして気づかぬうちに、真の意味では必要のない「便利なモノ」を使っていることさえあります。移動手段としての自動車や、スマートフォンに代表される情報通信端末の発明などは、それ自体は非常に素晴らしいヒトの叡智(えいち)の結晶と言えます。しかしながら、結果として私たちの生活の中から「動く機会」を奪うことにつながっている側面もあります。
 21世紀に入ってから世界中で指摘され始めた「動く機会」の喪失、すなわち身体活動不足は健康寿命を失う原因になるということです。予想通り、いや予想以上に、「動くこと」は私たちの健康維持・増進を実現するための鍵を握っているようです。
 さてどうすれば良いのでしょうか。最も大切なこと原点回帰です。生きるために必要なこと、しっかり「動いて、食べて、寝る」ことを改めて一緒に考えてみましょう。
開催日 講義題目 所属 職名 講師名
4 7月21日
(土)
身の周りのロボット
~掃除機から自動車まで~
工学部 准教授 丹沢 勉
 「ロボット」と聞くと、テレビや映画の中だけのものと思っていないでしょうか。すでに我々の周りには様々なロボットが存在しています。工場の中で物を作るロボットを始め、ペットロボットやお掃除ロボットのように人間の生活を支援しているものもあります。
 近年はぶつからない車として、自動運転車が話題になっています。周囲に危険がないかを判断し、ハンドル操作やブレーキ操作を人間の代わりに行うもので、広く捉えると、自動車の形をした高度なロボットと考えることもできます。
 講義では、我々の身の周りのロボットを紹介しながら、これらの特徴やロボットに求められていることについてお話しします。また、ぶつからない車がどのように周囲の車や歩行者などを認識し、どのように考えて運転の支援をして、自動運転を行っているのかを紹介します。
開催日 講義題目 所属 職名 講師名
5 9月15日
(土)
血液検査と血小板の意外な役割を知る
~日常行われる臨床検査と最先端の血小板研究~
医学部 教授 井上克枝
 健康診断や病気診断、治療効果の判定に欠かせないのが検査です。講義では、主な血液検査項目の読み方と異常値が出るメカニズムを分かりやすく解説します。多くの血液検査項目のうち、最もよく使われる生化学検査(AST、ALT、LDH、γGTなど)と血球検査(赤血球数、白血球数、血小板数など)について説明します。
 私たちの研究室では、血小板の研究を行っています。血小板といえば、ケガをした時にかさぶたを作って出血を止めるのに必要な細胞です。しかし、私たちの研究を含めた最近の研究で、血小板はかさぶたを作る以外にも、多くの役割を担っていることが分かってきました。例えば、お母さんのお腹の中で、赤ちゃんのリンパ管や肺がつくられるのに、血小板が必要不可欠であることは想像できますか。山梨大学から世界に発信した最新の研究成果を分かりやすく説明します。
開催日 講義題目 所属 職名 講師名
6 10月20日
(土)
大災害から命を守るちえ、すべ、しくみ
~被災地の現状と県内の地区防災の取組み~
工学部 教授 鈴木猛康
 1万8000人を超える死者・行方不明者を出した東日本大震災から7年がたちました。そろそろ防災意識が薄れてはいないでしょうか。大震災後にも、火山噴火や内陸直下型地震、土砂災害、水害などが全国各地で発生していて、山梨にとっても決して他人事ではありません。
 災害の発生を事前に予測できるかというと、答えは限りなく「ノー」に近いです。災害から目を背けたり、無視したり、過小評価したりしないでください。普段からの備えがしっかりしていれば、大災害は乗り越えることができるのです。
 講義では、大災害から命を守る知恵、術、仕組みについて紹介したいと思います。地域の自然災害のリスクに気付き、皆さんの周りにある防災や減災の仕組みを理解していただくと、命を守る術は必ず見つかります。自助、共助、公助を連携させて、住民・行政協働で大災害を乗り切る術を手に入れましょう。
開催日 講義題目 所属 職名 講師名
7 12月15日
(土)
山梨県の救急医療
~現在から未来まで~
医学部 教授 松田兼一
 山梨県の救急医療については、救急に携わる医師の不足や高齢化の問題、さらには救急搬送時間が他県に比べて長いことなど、ネガティブな情報ばかりを耳にします。山梨の救急医療は他県より劣っているのでしょうか。
 山梨では、県メディカルコントロール(MC)協議会が組織されていて、各消防本部の消防長と救急を担う医師、県消防保安課、医務課、保健所長会会長が一堂に会し、救急医療について様々な検討を行っています。
 講演では、山梨の救急医療の素晴らしい点と、これから解決しようとしている課題について、具体的に解説致します。「健康寿命が日本一」という立ち位置を今後も保っていくためにも、救急医療をさらに充実させて行きたいと考えています。これから訪れる超高齢化社会に向けての救急医療の取り組みについて、皆様と語り合いたいと思います。
開催日 講義題目 所属 職名 講師名
8 平成31年
2月16日(土)
藤原道長の素顔 
~「この世をば」の歌から千年~
教育学部 教授 池田尚隆
 2018年は、平安貴族の藤原道長が「この世をば我が世とぞ思ふ望月の欠けたることもなしと思へば」の歌を詠んでから、ちょうど1000年となります。道長は傲慢(ごうまん)であくどい政治家のように思われていますが、実は家族、特に妻を大切にした人でした。紫式部や赤染衛門らとも交流を持って「源氏物語」を世に広め、「栄花物語」の誕生にも深く関わっています。「栄花物語」は仮名で書かれた最初の歴史書であり、初めて摂関時代の歴史を描いた作品でもあります。道長は大政治家であるとともに、文学史・文化史の上でも極めて重要な役割を果たしたのです。
 講義では、「紫式部日記」や「栄花物語」、そして国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界記憶遺産にも登録されている彼自身の日記「御堂関白記」などを読みながら、道長の多面的な活動を見ていきたいと思います。
開催日 講義題目 所属 職名 講師名
9 平成31年
3月16日(土)
栄養と健康
~巷にあふれる栄養情報の活用方法~
生命環
境学部
教授 望月和樹
 近年、健康ブームやインターネットの普及により、ありとあらゆる健康や栄養に関する情報が配信されています。国が制度化した特定保健用食品(トクホ)や栄養機能食品、機能性表示食品はもとより、科学的根拠があるかどうかわからないサプリメントや、最近はやりのダイエット法、食品添加物の安全性・危険性など、専門家によって異なる見解が出されているのを目にしたことがある人も多いと思います。これらの情報をどのように取捨選択し、自分の食生活にどう活用していけばよいのでしょうか。
 まだ、結論が出ていないことも多いですが、科学的な視点を持って正しく栄養情報を把握する方法について、講義で分かりやすく説明したいと思います。