連続市民講座(2022)

第14回連続市民講座のお知らせ

「知る喜び~ひと・くらし・けんこう~」

 山梨大学と読売新聞甲府支局が共催し、「知る喜び〜ひと・くらし・けんこう〜」と題した全10回の連続市民講座を開催します。本学では、人や暮らしや健康などに密接に関わる様々な研究が行われています。今年度も、新型コロナの診療、地球環境、ウェアラブルロボット、地震のメカニズムなど多彩な講義を用意しました。本学教員が、これらをテーマにとりあげ講義します。
 新型コロナウィルスへの感染防止のため、当面の間はビデオ会議システムを活用したオンラインで行いますが、新型コロナの状況を見極めながら対面方式での開催も検討していきます。
 聴講は無料です。聴講をご希望される方は、各回ごと、下記申し込みフォームから事前の申し込みが必要になります。4月から来年3月まで毎月第3土曜日(11月のみ第2土曜日、8月・1月は休講)に山梨大学の教員が、専門の分野を図解などを用いて分かりやすく解説します。
                                                              キャンパスネット

日時・場所

開催日 4月〜来年3月まで毎月・第3土曜日(11月のみ第2土曜日、8月・1月を除く)
(全10回)
開催方法 当面の間オンライン方式で実施します。
視聴資格 どなたでもご参加いただけますが、事前申し込みが必要になります。
毎回、申込期間内に下記申し込みフォームからお申し込みください。
時間 午後1:30〜3:00まで(午後1時開場)
受講料 無料

申込方法

オンラインでの開催になりますので、各回ごと必ず事前に下記申し込みフォームより申し込んでください。
(申込期間は、連続市民講座スケジュールをご確認いただき各回指定期間内にお申し込みください。)

こちらをクリックしてください    3月開催 第10回連続市民講座 申し込みフォーム

 ⇒ お申し込みいただいた方あてに、視聴のためのURLを開催日3日前までにメールにてお送りします。

お問い合わせ先:山梨大学 教学支援部 教務企画課 連続市民講座担当
電 話:055-220-8043 
メール:koukai-kouza@(アットマーク)yamanashi.ac.jp

連続市民講座のスケジュール 

【注意】当面の間オンライン方式で行います。
    視聴には事前申し込みが必要になります。申込期限にご注意ください。

申込期間 ~4月8日(金)まで
1 開催日 講義題目 職名 講師名
4月16日
(土)
南極からみる地球環境
~塵も積もれば気候を変える~
生命環境学部
准教授
小林 拓
 南極と聞いて、みなさまは何を思い浮かべられるでしょうか?ペンギンやアザラシなどの愛らしい動物たちや、オーロラのような美しい自然の風景をご覧になったことがあると思います。南極は、地球環境を調べる上で非常に重要な場所の一つであり、我々のような地球環境を調べる研究者にとっても非常に魅力的なところです。我々の生活に多大な影響を与えつつある地球温暖化、PM2.5として注目された大気中の微粒子、そして文明圏から遠く離れた極寒の地、南極。これらの全く関係なさそうな事柄が、お互いに密接に関わり合っています。新型コロナウイルス感染症の拡大で、海外はおろか国内旅行もなかなか行けない状況ですけれども、南極観測隊員になった気分で、南極の景色や基地での生活の様子を眺めながら地球環境について考えてみませんか。
申込期間 4月18日(月)~5月13日(金)まで
2 開催日 講義題目 職名 講師名
5月21日
(土)
宇宙で活躍するロケット
~ミッション成功を支える工夫~
工学部
准教授
青柳潤一郎
 皆さんは「ロケット」と聞いて何をイメージしますか?多くの人は、地上から大きな音を立てて宇宙に飛び立つ打ち上げロケットではないでしょうか。重いものを飛ばせる、力強いイメージです。さて一方で、小惑星探査機「はやぶさ2」は、小惑星と地球の間を往復するためにイオンエンジンというロケットを使いました。このイオンエンジンの推力は1円玉を浮かせる程度の弱い力でした。どちらも同じ「ロケット」です。では打ち上げロケットを小さくして、はやぶさ2に搭載しても往復できたでしょうか?イオンエンジンを大きくして打ち上げロケットに使えるでしょうか?
 この講義では、このような疑問の答えも探りつつ、まずロケットの基本的な原理を解説して、その原理に基づいて様々な工夫をして作られたロケットたちをできるだけ分かりやすく紹介していきます。
申込期間 5月23日(月)~6月10日(金)まで
3 開催日 講義題目 職名 講師名
6月18日
(土)
新型コロナウィルスと闘う
~最重症症例診療の最前線~
医学部
教授
森口武史
 武漢から始まった新型コロナウイルス感染症は瞬く間に世界に広がり、変異を重ねながら波状に患者を増減させ、日常生活に多大な影響を及ぼしています。コロナ禍に対して山梨大学は入院患者の診療をはじめ、ドライブスルーPCR検査、ワクチン接種、発熱外来、後遺症外来や医療強化型宿泊療養施設の運営など、県のコロナ対策に大きな役割を果たしています。
 私の所属する救急科・集中治療部は主に人工呼吸器やECMO(体外式膜型人工肺)を必要とする最重症症例の診療を担当しています。このコロナ禍では、一般には耳慣れない医療に関する情報が、様々なメディア、様々な取り上げられ方で世間にあふれるようになりました。本講義では、大学病院で施行している新型コロナウイルス感染症の最重症症例の先端診療の実際を紹介するとともに、情報の解釈の仕方など、世間にあふれる医療情報についての考え方を解説します。
申込期間 6月20日(月)~7月8日(金)まで
4 開催日 講義題目 職名 講師名
7月16日
(土)
遺伝資源としての放線菌
~未知を探索するための道のり~
生命環境学部
准教授
山村英樹
 放線菌という微生物をご存じでしょうか?放線菌は微生物の一種として私たちと同じ環境中に存在しています。放線菌から最初に発見された抗生物質ストレプトマイシンは結核の特効薬として人類を不治の病から救ってきました。また、大村智博士が発見したエバーメクチンも放線菌から発見され、寄生虫に苦しむ人々の特効薬になっています。放線菌は農業分野では成長促進や病害防除として機能することが最近になって知られてきました。他にも有用な酵素を作り出し食品分野において多大な貢献をしています。このような役に立つ放線菌を探しあてるために、放線菌を分離する技術の開発が必要となっています。本講義では、放線菌が抗生物質を作り出す仕組みや放線菌を自然界から分離する方法について分かりやすく解説をしていきます。
申込期間 7月18日(月)~9月9日(金)まで
5 開催日 講義題目 職名 講師名
9月17日
(土)
通信システムが作る新しい世界
~暮らしを支える「光通信」とは~
工学部
教授
塙 雅典
 通信ネットワークの高速化と大容量化が進み、簡単にYouTubeでフルHDや4Kといった高画質動画が楽しめるようになりました。しかしその代償として、通信ネットワークにおける消費電力は上昇の一途をたどっています。2020年代には通信ネットワークにおける電力が国内の大部分を占めることになるという試算もあり、早急に対策を行うことが必要です。
 次世代の通信規格である5Gもフロントエンドである無線通信だけが大きく取り上げられていますが、現代の通信ネットワークは電話回線から大陸間横断海底ケーブル回線までを光通信技術が支えています。
 この講座では、通信システムとは何か、その歴史、現状、将来など基礎を紹介したうえで、通信システムが作る世界についてお話しします。
申込期間 9月19日(月)~10月7日(金)まで
6 開催日 講義題目 職名 講師名
10月15日
(土)
慢性痛の原因は脳にある?
~「グリア細胞」の発見と新しい治療戦略~
医学部
教授
小泉修一
 痛みは大きく2種類に分けられます。切り傷や擦り傷などによる「急性痛」と、腰痛や神経障害性疼痛(とうつう)などの「慢性痛」です。急性痛は生体の警告系として重要ですが、慢性痛は痛みの原因が取り除かれていても持続する傾向にあります。もはや警告の域を逸した不要な痛みであり、その原因・治療法もよく分かっていません。
 最近、この慢性痛の原因が痛む箇所ではなく、脳や脊髄にあることが分かってきました。脳や脊髄は神経の塊のような臓器だと思われがちですが、実は「グリア細胞」と呼ばれる細胞が多く存在しています。最近の脳科学の発展により、グリア細胞が脳でとても大事な役割を果たしていることが次々に明らかにされています。本講義では、グリア細胞とは何者なのか?どうして慢性痛が起こるのか?について、神経障害性疼痛と呼ばれる慢性痛を例に最新の研究成果を紹介します。
申込期間 10月17日(月)~11月4日(金)まで

開催日 講義題目 職名 講師名
11月12日
(土)
体育・スポーツの対人動作に潜む数理
~身体動作と世の中との関わり~
教育学部
教授
木島章文
 歩く、走る、ジャンプする――。私たちが日常で無意識にこなす動作には、実は多くの秩序や規則性が潜んでいます。最新のスポーツ科学では、サッカー選手の試合中の動きを最大30秒先まで予測することさえできます。動作に隠された秩序を解き明かすことで、どんな練習が必要なのか、鍛えるには何をすればいいか、逆算して考えることもできるはずです。さて、学校教育における最大の目標は「世の中の秩序を教える」こと、「世の中をよりよく生きる見識を育む」ことです。では、体育の授業で教える秩序はどんなカタチをしているのでしょうか? 
 本講義では、物理学や工学の力を借りて明らかにしたスポーツ動作に潜む物理・数理を説明し、世の中をより良くする生涯体育のカタチを示します。講義を通して、学校教育のなかで決して隅に追いやられてはならない体育の意味を、皆さんと考える機会にしたいです。
申込期間 11月14日(月)~12月9日(金)まで

開催日 講義題目 職名 講師名
12月17日
(土)
がん医療の最前線
~最難治「すい臓がん」診療の現状~
医学部
病院教授
板倉 淳
 日本人の2人に1人ががんになり、3人に1人が亡くなっています。2019年の全がんの75歳未満年齢調整死亡率は05年比で24.2%減少し、近年明らかな改善が得られています。一方、すい臓がんは5年生存率が10%ほどで、男性で4位、女性で3位のがん死亡原因と、いまだ最難治がんのひとつとされています。その原因は、自覚症状に乏しく診断時にはすでに進行し、多くの症例で手術適応とならないことにあり、早期診断、早期治療が重要な課題とされてきました。最近では、その病態や早期診断に向けた基礎研究に加え、新たな薬剤の開発、より安全な治療への臨床研究が続けられ、長期生存例も見られるようにになってきました。この講義では、すい臓がんを中心にがんの疫学、診断、治療の現状を紹介します。
申込期間 12月19日(月)~令和5年2月10日(金)まで
開催日 講義題目 職名 講師名
2023年
2月18日(土)
ロボットは身につける時代へ
~ウェアラブルロボットとは
工学部
助教
北野雄大
 時計に様々な機能を搭載した「スマートウォッチ」や、メガネに映像を映し出す「スマートグラス」など、近年「ウェアラブルロボット」と呼ばれる端末が急激に一般化しつつあります。どのような種類が開発され、どのように利用されているのでしょうか。ウェアラブルロボットは一般的な工業用のロボットと異なり、人が服や時計のように身につける形で使われます。このため、体の動きになじむようなデザインや、小型化と強度の両立など様々な課題があり、一般的なロボット開発とは異なる難しさや面白さがあります。
 講義では、ウェアラブルロボットに利用されている工学的な技術について説明し、動作原理について紹介します。また、ウェアラブルロボットの難しさを工学的視点から説明し、その問題を解決するための取り組みについて解説します。
申込期間 令和5年2月20日(月)~3月10日(金)まで
10
開催日 講義題目 職名 講師名
2023年
3月18日(土)
地震と雷現象
~震源では一体何が起こっているのか?~
教育学部
教授
福地龍郎
 巨大地震の発生時には、地盤の揺れの他に落雷や発光、地震雲など、様々な自然現象が観測されています。こうした地震に関連する自然現象のことを地震宏観(こうかん)現象と呼んでいます。「天災は忘れた頃来る」という名言を残した物理学者・寺田寅彦も、地震に伴う雷や発光現象に強い関心を持ち、研究論文を幾つか発表しています。
 私は、1995年兵庫県南部地震(M7.3)を引き起こした野島断層の現地調査の際に地震に伴う雷現象の痕跡を見つけたことを契機に、雷現象の原因は震源にあると考え、震源物質の物性を調べる研究を始めました。本講義では、地震発生の基礎から雷放電までを分かりやすく解説するとともに、地震に伴う雷現象のメカニズムについて考察します。また、山梨県の活断層と地震についても紹介します。

 

各種公開講座

2022年度 市民開放授業

公開講座(2022)

リカレント教育講座