連続市民講座(2019)

テーマ

「知る喜び~ひと・くらし・けんこう~」

 山梨大学は今年度も読売新聞甲府支局と共催し、「知る喜び〜ひと・くらし・けんこう〜」と題した全10回の連続市民講座を開催します。本学では人や暮らしや健康などに密接に関わる様々な研究が行われています。著作権や糖尿病の予防、ウィルス、人生100年時代、甲府盆地形成の謎、半導体の役割、牛乳の利活用、介護予防、循環型社会、植物の基本的性質―。本学教員がこれらをテーマにとりあげ講義します。
 聴講は無料です。4月から来年3月まで毎月第3土曜日(11月のみ第2土曜日、8月・1月を除く)に山梨大学の教員が登壇し、専門の分野を図解などを用いて分かりやすく解説します。7回以上出席した聴講者には修了証書「Master of Delight in Knowledge」を授与させていただきます。
                                                                キャンパスネット

日時・場所

開催日 4月〜来年3月まで毎月・第3土曜日(11月のみ第2土曜日、8月1月を除く)(全10回)
会場 山梨大学 甲府キャンパス(東)A2−21教室(地図
定員 330人
時間 午後1:30〜3:00まで(午後1時開場)
受講料 無料

申込方法

申込が無くても聴講は可能です。
準備の都合上、第1回の講義については葉書・封書の郵送、電子メール、FAXによる事前申込を受け付けております。
受講希望日・住所・氏名・年齢・電話番号を明記の上、下記宛先へ送付してください。

葉書・封書の宛先:〒400−8510 甲府市武田4−4−37 
山梨大学教務課「山梨大学教務企画課連続市民講座担当」

電話の場合:055−220−8043
「山梨大学教務企画課連続市民講座担当」

FAXの場合:055−220−8796
「山梨大学教務企画課連続市民講座担当」

電子メールの宛先: koukai-kouza@(アットマーク)yamanashi.ac.jp
題名は「連続市民講座申し込み」   

連続市民講座のスケジュール

開催日 講義題目 職名  講師名
 1  4月20日
(土)
「文学」から考える著作権
~法とオリジナリティの問題~
教育学部 准教授  大木志門
 2018年12月30日に、改正著作権法が施行されました。著作者の死後70年までが著作権の保護期間となり、あわせて著作権侵害が「非親告罪」となり、被害者の告訴が不要になることが新しく定められました。
 そもそも、著作権法が守る「著作物」とはどういったもので、どのような場合に権利侵害となるのでしょうか。私たちの身の回りには保護されるべき著作物があふれていますが、近年のインターネットの発達などで、ますますその取り扱いは複雑になる一方です。
 講義では、著作権法成立のきっかけとなった出版物や文学作品を題材にしながら、私たちが現代社会を生きる上で押さえておくべき、著作権の基礎的な考え方をわかりやすく紹介します。また、そこから見えてくる文学や芸術作品におけるオリジナリティの問題を皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
開催日 講義題目 所属 職名 講師名
5月18日
(土)
糖尿病を予防する
~海外と日本の研究成果から~
医学部 准教授 横道洋司
 日本人の約1割が糖尿病にかかっているとされています。健診や診療録のデータを使ってたくさんの人を観察し、何が糖尿病を引き起こしているか、何が糖尿病を予防しているかを分析することが私たちの仕事です。海外や日本で多くの分析が行われ、その結果は毎日テレビや新聞で報じられています。
 糖尿病の発症には、遺伝のほか、食事とその摂り方、運動、睡眠、仕事の仕方など、生活に関わる全てが関係していると言えるでしょう。国内外のデータを一緒に読み解くことで、糖尿病や生活習慣病をできるだけ起こさない方法を考えるきっかけにしていただければと思います。誰しも病気を予防しながら、楽しく生きたいですよね。知的好奇心が刺激され、楽しんでもらえるようなお話を目指します。
開催日 講義題目 所属 職名 講師名
3 6月15日
(土)
ウイルスとは何か?
~生命を脅かす目に見えない脅威について知る~
医学部 学部内
講師
山下篤哉
 ウイルスという言葉を日常生活の中でよく見聞きすると思いますが、「ウイルスとは何か?」と問われた場合、目に見えないものであるため、明確なイメージが浮かばない方が多いと思います。
 医学の分野では、ウイルスは細菌(菌)とともに感染症の原因になるものとして知られています。しかし、一般的には、細菌(菌)が感染症の原因と思われている方が多く、ウイルスと細菌(菌)の違いについてあまり理解されていないように思われます。
 講義では、ウイルスと細菌(菌)はどのような違いがあるのかについてわかりやすく解説していき、ウイルスという生命体について理解を深めていけるようにしたいと思います。また、ウイルスが人にどのように感染し、感染症という病気を引き起こすのかということについてもお話ししていきます。更に、ウイルスによる感染症の治療や予防についても触れていきたいと思います。
開催日 講義題目 所属 職名 講師名
4 7月20日
(土)
人生100年時代のモノ・コトづくり
~誰もが豊かな人生を送るために~
工学部 准教授 岡村美好
 人生100年時代を迎え、身体の衰えと付き合いながら、どのようにして豊かな人生を送るのかということは、多くの人の関心事になっています。
 国は人生100年時代構想会議を発足させ、昨年、「人づくり革命基本構想」を取りまとめました。その一つとして高齢者雇用の促進を取り上げ、「全ての世代の人々が希望に応じて意欲・能力をいかして活躍できるエイジフリー社会を目指す」としています。
 その一方で、加齢による身体機能、認知機能などの低下は、加速する社会の変化やインターネットなどの技術への対応を難しくしていきます。
 誰もが豊かな人生を送るためには、どんなモノ・コトづくりが必要なのでしょうか。「人間中心」「価値の共有」「志」をキーワードに、人生100年時代のモノ・コトづくりについて皆様と考えたいと思います。
開催日 講義題目 所属 職名 講師名
5 9月21日
(土)
甲府盆地形成の謎
~湖伝説から地震空白域まで~
教育学部 教授 福地龍郎
 山梨県は、地質学的には南部フォッサマグナと呼ばれています。フィリピン海プレートの衝突により、南アルプスは現在でも最大年間4ミリの速度で隆起していて、その北縁~東縁には糸魚川―静岡構造線(糸静線)と呼ばれる活断層が存在します。
 甲府盆地は西縁を糸静線、南縁を曽根丘陵断層と呼ばれる別の活断層に囲まれ、曽根丘陵断層の南方には御坂山地や富士山が位置しています。一方、甲府盆地の北側には八ヶ岳や茅ヶ岳などの第四紀火山が分布しています。
 このように甲府盆地は地殻変動で形成されていますが、甲府盆地を震源とする地震はほとんどなく、地震空白域となっています。甲府盆地が盆地として残った理由もよく分かっていません。近世に成立した歴史書には、太古の甲府盆地は湖底であったとの記載があります。本講義では、甲府盆地形成の謎に地質学的に迫ってみたいと思います。
開催日 講義題目 所属 職名 講師名
6 10月19日
(土)
電力を制御する
~パワー半導体の役割と将来~
工学部 教授 矢野浩司
 私が高校生の頃、国内家電メーカーから、発電量を安定させるインバータ回路を搭載したエアコンが初めて商品化されました。それ以来、インバータ回路はエアコンのみならず、太陽光発電、ハイブリッドカー、新幹線、産業用ロボットなど社会の至る所で使用され、我々の生活に無くてはならない存在になりました。
 インバータ回路や電源回路に搭載されている電力の制御や供給を行う半導体を「パワー半導体」と呼びます。パワー半導体は、1980年代から現代に至るまで急速にその性能を向上させ、現代の電力社会を支えて省エネに寄与しています。
 講義では、パワー半導体が我々の生活で果たす役割を解説します。また、近年注目されているSiC(シリコンカーバイド)やGaN(ガリウムナイトライド)といった次世代半導体材料を使った高性能パワー半導体についても説明します。
開催日 講義題目 所属 職名 講師名
7 11月9日
(土)
牛乳に魅せられて
~牛乳が固まる事例を通じて~
生命環
境学部
教授 谷本守正
 人類とウシさんの関わりは古く、人類はウシさんから乳をいただき、様々な形態の乳製品を作り上げながら食してきました。
 人類を含め哺乳動物は、生後しばらく乳のみで成長します。乳は成長への理想的な食品とも言えます。乳の利活用により、動物を生かしながら動物性食品を摂取できます。乳の利活用は、人類の食料確保の知恵の産物でもあります。
 ヨーグルトやナチュラルチーズに代表されるように、牛乳が固まることを利活用した食品は、昔から人類の食卓に上ってきました。
 凝固のキーワードは「酸による凝固」「酵素、レンネットによる凝固」です。凝固の本体は、乳タンパク質カゼインの凝集による高次構造の変化として捉えることができます。本講演では、古くからなじみはあるが、実はあまり知られていない、牛乳が固まる現象を眺めてみたいと思います。
開催日 講義題目 所属 職名 講師名
8 12月21日
(土)
地域みんなで介護予防
~地域の資源の活用術~
医学部 准教授 神崎由紀
 「介護予防」と聞いて、どのようなことをイメージされるでしょうか。まだまだ先のことと思われる方や、すでに危機感を感じている方など様々だと思います。
 介護予防とは、介護が必要な状態の悪化を防ぐだけでなく、介護を受ける状態になることを防ぐことでもあります。つまり、元気な時からの取り組みが重要なのです。山梨県は健康寿命が長く、男性が第1位、女性が第3位と言われています。介護予防は、この健康寿命をさらに延ばすことにもつながります。
 近年、人とのつながりが介護予防や健康に関係することが明らかになっており、各市町村では、地域の人たちが健康教室などに参加しやすいように工夫を凝らしています。身近な地域で、どのような教室が行われているかを知り、健康に暮らし続けるためにどのように活用していけるかを、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
開催日 講義題目 所属 職名 講師名
9 2020年
2月15日(土)
循環型社会の実現へ向けて
~適正な廃棄物管理とは?~
工学部 教授 金子栄廣
 我が国では20世紀終わりから、循環型社会を実現するための取り組みが急速に進められるようになりました。
 この講義ではまず、循環型社会の定義や 目的を明らかにします。その上で、このような社会を実現するために導入された新しい考え方や、それを踏まえた法体系の整備、そして、循環型社会の到達度を評価するための指標とその現状などについて解説します。
 次に、循環型社会を目指す上で重要な廃棄物管理に焦点を当て、その基本的な考え方や現在の状況、動向について説明します。
 最後に、適正な廃棄物管理を目指す取り組みの中で、一般市民に身近なところで行われている事例を紹介し、私たち一人ひとりの行動が循環型社会の実現に関わっていることを知ってもらいたいと考えています。
開催日 講義題目 所属 職名 講師名
10 2020年
3月21日(土)
作物がどう生きようとしているのかを考える
~見落とされがちな植物としての基本的性質を見直す~
生命環
境学部
准教授 矢野美紀
 私たちは、様々な植物を食物として利用するために栽培しています。これら農作物は人為的な選抜の結果、外敵に弱く、多量の養分がないと健全に生育できない、ぜいたくで弱い植物になってしまったと考えられています。
 そのため、肥料や農薬などによる管理や保護が行われていますが、それらが逆に病害虫を増殖させることも知られており、作物の健全な生育にとって何が本当に必要なのか、はっきりとしていません。食物として利用する部位や目に見えやすい部分の生育だけに私たちの意識が集中し、植物の基本的な性質を見落としたり、誤解したりしていることが、その原因の一つになっていると思われます。
 本講義では、作物が「どう生きようとしているのか」ということを意識し、もう一度、見落とされがちな植物本来の性質について考えてみたいと思います。