在日ドイツ大使館のクレーメンス・フォン・ゲッツェ特命全権大使らが燃料電池ナノ材料研究センターを視察

2021年12月20日 トピックス

 令和3年12月10日(金)、在日ドイツ大使館のフォン・ゲッツェ大使らご一行が燃料電池ナノ材料研究センターを視察しました。
 これは、本学・ドイツのブラウンシュヴァイク工科大学・スイスのベルン大学とで「国際共同燃料電池研究プログラム」を進めていることにより、フォン・ゲッツェ大使から本センターを視察したいとのお話をいただき、実現したものです。
 当日は島田学長から歓迎の挨拶があり、飯山明裕 同センター長から、センターの歴史や研究活動・取組みについての紹介、柿沼克良同センター特任教授から、共同研究プロジェクトについて、SDGsを意識した研究プロジェクトでもあり、ヨーロッパの燃料電池開発を本学の最先端の技術により支援・協力し、さらなる発展を目指すものであると説明がありました。
 フォン・ゲッツェ大使は、ドイツのエネルギー事情についてお話され、本共同研究プロジェクトの成果が問題解決に繋がることを大いに期待すると述べました。また、本学が日邦プレシジョン株式会社と共同開発した「燃料電池電動アシスト自転車※1」にご興味を示され、電動自転車の搭載電池の軽量化などについて、熱心にご質問されました。
 その後、飯山センター長の案内で施設内を視察したフォン・ゲッツェ大使らは、積極的に質疑するなど、有意義な視察となりました。
 なお、本国際共同研究プログラムは、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)戦略的国際共同研究プログラム(SICORP)EIG CONCERT-Japan「手ごろでクリーンなエネルギー源としての持続可能な水素技術※2」に採択されたことにより、本国際共同研究プログラムを開始し、新しく、手ごろで高活性・高耐久性を備える新たな固体高分子形燃料電池用電極触媒の開発を目指します。
 採択課題の詳細は下記のとおりとなります。
【事業名】
 戦略的国際共同研究プログラム(SICORP)
 EIG CONCERT-Japan「手ごろでクリーンなエネルギー源としての持続可能な水素技術」
【採択課題名】
 手ごろで高活性な固体高分子形燃料電池用電極触媒開発(NADC-FC) 
【研究概要】
 本課題において、3国のチームによる共同研究を通して、プラチナ(Pt)使用量を削減しつつ、新しい手ごろで高活性・高耐久性を備える新たな固体高分子形燃料電池用電極触媒を開発する。
 ドイツ側チームではPt系触媒粒子の設計、日本側チームでは高耐久担体の設計、スイス側チームではそのPt系触媒の上記高耐久担体への担持を行い、新たな触媒を作製する。触媒活性評価には、ドイツ側チームでは回転リングディスク電極(RRDE)、スイス側チームではガス拡散電極(GDE)、日本側チームでは燃料電池の単セルを用いて実施する。RRDEと単セルでは加速耐久試験を実施するとともに、山梨大学では放射光を用いたオペランド分析と高分解能電子顕微鏡、およびX線光電子分光法の最新の評価システムを使用して、加速耐久試験前中後の新触媒を評価する。

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※1 日本初・山梨発!燃料電池電動アシスト自転車試作機完成披露式を挙行
※2  戦略的国際共同研究プログラム(SICORP)
 EIG CONCERT-Japan「手ごろでクリーンなエネルギー源としての持続可能な水素技術」における令和3年度新規課題の決定について

※山梨大学ではSDGsに取り組んでいます。この他の取り組みにつきましては、こちらのページをご覧ください。