水素社会に向けた『やまなし燃料電池バレー』の創成 「FCyFINE シンポジウム2021」を開催!

2022年3月14日 トピックス

 令和4年3月9日(水)、甲府キャンパスにおいて、「FCyFINEシンポジウム2021」を開催し、県内外からの企業・団体・自治体関係者や本学教職員等約80名が参加しました。
 2017年度に文部科学省から「地域イノベーション・エコシステム形成プログラム」の採択を受け、本学では山梨県や企業等と協働で「水素社会に向けた『やまなし燃料電池バレー』の創成」(FCyFINE)事業を実施しており、これまでに本学と地域に蓄積された燃料電池技術の強みを発展させ、やまなし燃料電池スタックと電源システム、新たな燃料電池用部材や製造装置などの製品を創出し、今後到来する水素社会に向けた事業化を促進する種々の取組みを推進して参りました。
 事業最終年度の本年度は、これまでの活動実績を紹介するとともに、今後の山梨地域の水素・燃料電池関連産業振興を考えるシンポジウムとなりました。
 冒頭、島田眞路学長が「本学の誇る水素・燃料電池技術を採用して事業化したFC燃料アシスト自転車など、大学のシーズ技術をもとに県内企業から事業化が実現し、社会に貢献できたこと、本事業の成果について文部科学省から高評価を得たことは大変嬉しいことである」と、丹澤竜 山梨県産業労働部次長が「本事業の成果である革新的な製品は、燃料電池普及の最大の課題であり、今後ますます注目されるであろう」と、梅原弘史 文部科学省拠点形成・地域振興室長が「本事業の成果は、山梨大学がまさに地域の中核大学として大学の持つ強みや特色を活かして研究力を強化し、地域の経済社会の発展や国内外の課題の解決に取り組んでいる中心的な事例であり、今後も地域とともに発展していくことを期待する」と挨拶されました。
 第1部では、永田裕二 事業プロデューサーがFCyFINEの事業概要を説明し、飯山明裕 本学燃料電池ナノ材料研究センター長・佐藤幸徳 日邦プレシジョン株式会社常務執行役員が「電源用燃料電池システム事業」、渡辺政廣 本学特命教授・谷内浩 株式会社エノモト開発部長代理が「ガス拡散層一体型金属セパレータ供給事業」、内田誠 本学燃料電池ナノ材料研究センター教授・上野慶太 株式会社メイコー副社長がそれぞれの事業の5年間の成果と今後の事業展開について説明がありました。更に岡嘉弘 本学水素・燃料電池技術支援室准教授から、人材育成、法令対応など本事業を支える基盤活動について報告がありました。
 第2部では、相澤益男 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)顧問(公益財団科学技術国際交流センター会長・東京工業大学名誉教授・元学長)が「地域イノベーション・エコシステムが拓く未来」と題し、世界の地域イノベーションの動向や我が国の科学技術・イノベーション政策について、米田雅一 みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社サイエンスソリューション部次長が「カーボンニュートラル実現に向けた水素・燃料電池の最新動向」と題し、カーボンニュートラル実現に向けた国内外の水素戦略やグリーン水素の普及や燃料電池のモビリティの多用途展開などについてご講演いただきました。
 最後に飯山燃料電池ナノ材料研究センター長から今後は、新たに設立した一般社団法人FCyFINE PLUS※がカーボンニュートラル社会、水素社会実現に向け、FCyFINE事業の成果を継承して、さらに発展させていく計画であると説明がありました。

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一般社団法人 FCyFINE PLUS 設立発表式(2021.12.21本学HP掲載)

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