山梨科学アカデミー交流大会で飯山明裕 燃料電池ナノ材料研究センター長が特別講演

2021年11月29日 トピックス

 令和3年11月24日(水)、ベルクラシック甲府において、山梨科学アカデミー交流大会が開催されました。
 大会では、飯山明裕 本学燃料電池ナノ材料研究センター長が「炭素フリー社会にむけた水素・燃料電池の利活用と今後の展望」と題して特別講演を行い、炭素フリー社会に向けた今後の大きな変動について説明したほか、最新の研究開発や県内での産業化への取り組みを紹介しました。
 飯山センター長は、「今後は、太陽光などの再生可能エネルギーの導入がさらに広まると予想されます。再生可能エネルギーは変動したり、余ったりすることがあるため、そのような場合は水電解装置でいったん水素にして貯蔵し、後でボイラーで熱にしたり、燃料電池で発電するなどの利活用が期待されます。この動きは世界的にも大きな流れとなっており、水電解や燃料電池などは、さらに産業の発展の機会が幅広く生まれるものと思います。ぜひそのような機会をしっかりととらえて大学の研究の推進や企業との連携を広めていければと願っております」と水電解・燃料電池の今後の展望についても述べました。

公益社団法人山梨科学アカデミーHP
※山梨科学アカデミーは、山梨県の科学技術の振興及び人材の育成を図ることを目的として平成7年に設立され、大村 智 本学特別栄誉博士が名誉会長を務めています。

 なお、本学燃料電池ナノ材料研究センターでは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)NEDO事業「燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業」の「研究開発項目I 共通課題解決型基盤技術開発/高効率・高出力・高耐久PEFCを実現する革新的材料の研究開発事業」(ECCEED’30-FCプロジェクト)および、「研究開発項目II 水素利用等高度化先端技術開発/広温湿度作動PEFCを実現する先端的材料コンセプトの創出事業」(ECCEED’40-FCプロジェクト)に採択され、高効率発電および高負荷運転さらには、高耐久起動停止等技術や極限環境下劣化防止等の技術を実現する革新的材料技術開発や、高温度・低湿度環境下でも作動可能な新規材料コンセプトの創出を行っています。
 この研究開発項目Iの事業では2030年以降の自動車や家庭用PEFC(固体高分子型燃料電池)への実装を目指し、研究開発項目IIの事業では、2030年以降の更なる燃料電池システムの低コスト、高性能、高耐久に資する技術開発に取り組み、技術成立性を提示するとともに2040年頃の実装に向けた課題を明らかにします。

燃料電池ナノ材料研究センターHP