山梨大学SDGs 持続可能な未来のために!

高効率なBaSi2太陽電池の開発

クリスタル科学研究センター
准教授 原 康祐
07-エネルギーをみんなに。そしてクリーンに09-産業と技術革新の基盤を作ろう13-気候変動に具体的な対策を
キーワード:太陽電池、半導体、薄膜

より高効率で安価な太陽電池の実現を目指して、新しい光吸収材料を利用した太陽電池の開発を行っています。また、要素技術として、高品質な薄膜を高い生産性で作製する手法の開発にも取り組んでいます。

 

太陽電池は脱炭素社会形成に欠かせない電源です。現在のほとんどの太陽電池はシリコンを用いて作られていますが、シリコンは光吸収が得意ではありません。私は、高い光吸収能力などの優れた性質を持つバリウムシリサイド (BaSi2) を利用した太陽電池を開発しています。下図に示すようなBaSi2光吸収層と電子・正孔輸送層を用いた太陽電池を設計し、実現に向けた研究開発を進めています。シミュレーションによる発電効率は最大30%以上で、シリコン太陽電池より高い効率が期待できます。

 

高効率で安価なBaSi2太陽電池を実現するためには、高品質な薄膜を高い生産性で作製する技術が不可欠です。そこで、成膜法の研究開発にも取り組んでいます。これまでに、高速に成膜できる真空蒸着法をBaSi2に適用し、その成膜メカニズムの解明や電気特性の制御を達成してきました。また、汎用的な高速熱処理 (RTA) 装置で成膜できる「近接蒸着法」という新しい方法の開発も行っています。

 

山梨大学は持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。 やまなしSDGsプレジェクトの推進パートナートしてともに進めています