医学部薬理学講座の繁冨英治特任助教が文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞

2015年4月20日 トピックス

 医学部薬理学講座の繁冨英治特任助教が平成27年度科学技術分野の文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞しました。

 この賞は、萌芽的な研究、独創的視点に立った研究等、高度な研究開発能力を示す顕著な研究業績をあげた40歳未満の若手研究者を対象としたもので、今年度は97名が受賞し、平成27年4月15日(水)に文部科学省において表彰式が行われました。

 受賞対象となった業績名は、「脳機能制御におけるアストロサイトのCa2+シグナルの研究」で、概要は以下の通りです。

 脳の情報処理の最小単位を担うシナプスの機能を明らかにする上で、シナプスとのインターフェースに位置するアストロサイトの活動様式の解明は不可欠な課題です。しかし、従来法ではその活動様式の観察は困難でした。
 繁冨助教らは、新規Ca2+蛍光プローブを開発し、シナプスとのインターフェースに位置するアストロサイトの活動様式を詳細に観察することに成功しました。これによって新たなCa2+シグナルを見出し、そのCa2+シグナルを介したシナプス制御機構の一端を明らかにしました。
 本研究成果は、アストロサイトの活動によるシナプス制御機構の解明に大きく寄与し、また得られた新規Ca2+蛍光プローブは、シナプス機能異常によって惹起される様々な中枢神経系疾患の病態メカニズムを解明する上で重要なツールとなると期待されます。

 受賞した繁冨助教は、「栄えある賞をいただくことができまして大変光栄に思います。この賞に恥じないように今後も研究に邁進し、少しでも国民生活に資することができるように努めて参りたいと思います。最後に、このような賞をいただくことができましたのも、推薦してくださった小泉修一教授をはじめ研究生活を支えてくださった多くの方々のご支援によるものと深く感謝しております。」と述べています。

平成27年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者等の決定について(文部科学省):
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/27/04/1356509.htm