第3回「『手でみる新しい絵画』を作ろう」を開催

2017年3月15日 トピックス

 平成29年2月12日(日)、山梨県立美術館において、平成28年度 文化庁「大学を活用した文化芸術推進事業」地域アートマネジメントにおけるアウトリーチ・ワークショップ「手でみる新しい絵画を作ろう」を開催しました。

 前半のワークショップ「手でみる新しい絵画をつくってみよう2」では、県立美術館所蔵の萩原英雄の木版画「石和早春」を元に、参加者全員で補助教材を制作した後、参加者・美術館スタッフ・盲学校職員等の協力で作成した半立レリーフ教材、薄肉試作、ジオラマ、3D補助教材(工学部附属ものづくり教育実践センター作成)、点字解説パネル(山梨ライトハウス点訳)に触れて絵画を鑑賞しながら、これらを活用したよりわかりやすい鑑賞法についてディスカッションを行いました。
 出来上がった教材は、来年度美術館に寄贈し、ご活用いただく予定です。

 後半のレクチャー「手でみるミレーのはじまりとこれから」では、山本育夫氏(NPO法人つなぐ、やまなしフットパスリンク代表)が講演を行いました。
 県立美術館では、昭和61年から、所蔵作品であるミレーの絵画を視覚に障がいのある来館者も鑑賞できるよう、「手でみるミレー」と題して常時教育普及展示を行っています。
 その発案者である山本氏から、当時の貴重な体験や、国内ミュージアムにおける視覚障害者向け展示・ワークショップの具体的な取り組みについてご紹介いただきました。

 視覚に障がいのある参加者からは「これらの取り組みにより、美術館に行く理由ができ、共通理解がうまれる」とご意見をいただきました。

 教材試作過程は「手でみるプロジェクト」ホームページFacebook(Miru Tede)で紹介していますので、是非ご覧ください。