大学院医工農学総合教育部博士課程3年の井上達也さんが第6回電動車両技術国際会議(EVTeC2023)でYoung Investigator Awardを受賞

2023年7月6日 トピックス

 令和5年5月22日(月)~24日(水) 、パシフィコ横浜で開催された第6回電動車両技術国際会議The 6th International Electric Vehicle Technology Conference EVTeC2023において、本学大学院医工農学総合教育部博士課程3年の井上達也さん(スズキ株式会社からの社会人博士課程、指導教員:水素・燃料電池ナノ材料研究センター内田誠教授)がYoung Investigator Awardを受賞しました。本賞は、電動車両技術に関して講演した発表者のうち、40歳以下の研究者を対象に贈られるものです。
 受賞題目は、「A Study on the Performance Stability and the Water Management of PEFC with Interdigitated Gas Flow Channels Formed on a Gas Diffusion Layer(和訳:ガス拡散層表面に形成した対向櫛歯状流路を持つ固体高分子型燃料電池の、出力安定性向上およびセル内部における液水管理に関する研究)です。燃料電池は低炭素社会に向けた次世代車両用電源として期待が高まっていますが、出力や耐久性向上、低コスト化が課題となっています。本研究では、本学と株式会社エノモトが開発した、ガス拡散層表面に流路を形成する技術と、対向櫛歯型流路を組み合わせることで、従来の課題であった出力の安定性向上を、燃料電池システムの低コスト化と両立しつつ実現できる可能性を示し、水の可視化技術やシミュレーション技術を用いることで、出力安定性に寄与する新たなメカニズムを発見しました。
 受賞した井上さんは、「今回の受賞はひとえに研究のご指導を含め多大なサポートを頂いた内田誠先生をはじめとする山梨大学および大阪大学の諸先生方、株式会社エノモト様のおかげであり、関係各位に深く感謝いたします。今後も燃料電池の技術開発に継続的に取り組むことで、水素をはじめとした持続可能なエネルギー社会の実現に貢献していきたいと考えています」とコメントしています。