大山拓次生命環境学部教授らの学術論文がイギリス国際学術雑誌に掲載され、論文のグラフィカルアブストラクトが表紙に採用されました

2022年4月28日 トピックス

 大山拓次生命環境学部教授らの研究グループの学術論文が、イギリス国際学術雑誌Nucleic Acids Researchに掲載され、論文のグラフィカルアブストラクト(論文の図解抄録)が表紙に採用されました。
 論文のタイトルは”Family D DNA polymerase interacts with GINS to promote CMG-helicase in the archaeal replisome” (Volume 50, Issue 7, pp 3501-3605, 22 April 202)です。
 本研究では、アーキア(古細菌)が、どのようにして遺伝情報を担う DNA を複製するのかを解明しました。アーキアの必須酵素である DNA ポリメラーゼ D(ポルD)が鋳型となる二本鎖 DNA を解くヘリカーゼ複合体と直接結合することを結晶構造解析によって原子レベルで解明し、その相互作用の結果、ヘリカーゼ活性が促進されて、新生鎖の合成が協調的に進むことを、緻密な生化学実験を積み重ねることで実証しました。アーキアでレプリカーゼとヘリカーゼの機能的な相互作用を証明したのは初めてのことです。この研究により、アーキアおよびアーキアとよく似たシステムを持つ、ヒトを含む真核生物のDNA複製の全貌解明にむけて、また一歩大きく前進しました。
 大山教授は、「生物の仕組み、生物分子の仕組みは、知れば知るほどますます面白くなり、より深く知りたくなる。次の謎の解明に向けて、また新しい研究を進めたい」とコメントしています。
 本研究の詳細は、下記Webサイトをご覧ください。

生命環境学部生命工学科蛋白質構造生物学研究室HP