クリーンエネルギー研究センターの宮武健治教授・犬飼潤治教授、燃料電池ナノ材料研究センターの内田誠教授が文部科学大臣表彰科学技術賞を共同受賞

2021年4月15日 トピックス

 クリーンエネルギー研究センターの宮武健治教授・犬飼潤治教授、燃料電池ナノ材料研究センターの内田誠教授が令和3年度文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)を共同受賞しました。
 この賞は、我が国の科学技術の発展等に寄与する可能性の高い独創的な研究又は開発を行った研究者を対象としたもので、今年は57名(45件)が受賞し、令和3年4月14日(水)に文部科学省において表彰式が行われました。

 受賞対象となった研究名は、「次世代燃料電池への応用を目指した革新的高分子薄膜の研究」です。
 燃料電池は電気自動車や家庭用の電源として実用化されていますが、広範な普及のためには一層の高効率化と低コスト化が不可欠な課題です。
 宮武教授らは、イオン、水、気体それぞれの移動経路と機構を考慮した独自の分子構造を設計し、化学的に安定な高プロトン導電性高分子薄膜を開発するとともに、薄膜中でイオン導電を掌る構造概念が、反対の電荷をもつアニオンにも適用可能であることを実証しました。さらに高分子薄膜と電極触媒の界面で起こる電気化学反応の分布を実用的な作動条件下で解析し、性能を最大限に発揮する電極構造を明らかにしました。
 本研究により、高性能なイオン導電性高分子薄膜と電極触媒層が発明され、燃料電池の性能、耐久性、コストをいずれも大きく改善する見通しが立ちました。
 本研究成果は、燃料電池だけでなく水電解水素製造システムなど各種エネルギー変換デバイスへの応用が可能であり、我が国のエネルギー・環境分野の発展と水素社会の早期実現に大きく寄与することが期待されます。

  受賞した宮武教授は、「専門分野が異なる3名が、それぞれ、高分子薄膜の開発、高度分析、燃料電池評価を分担した研究内容を高く評価いただき大変光栄です。今後、本技術を更に改良し、我が国の科学技術の発展に一層貢献できるよう精進いたします」と述べています。

令和3年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者等の決定について(文部科学省)