公開シンポジウム「やまなしの山と自然に学ぶ~山梨大学が拓く山岳科学のフロンティア~」を開催

2019年11月7日 トピックス

 令和元年10月22日(火)、山梨県立図書館(山梨県甲府市)において本学主催(筑波大学・信州大学・静岡大学共催)の公開シンポジウム「やまなしの山と自然に学ぶ~山梨大学が拓く山岳科学のフロンティア~」を開催し、約120名が聴講しました。
 本学では筑波・信州・静岡大学と連携して「山岳科学特別教育プログラム」を開設し、山岳域の環境問題の解決や持続的管理に貢献できる人材を育成しています。
 今回のシンポジウムでは、山岳域の森林の再生と保全の意義を学ぶため、C.W.ニコル氏を講師に「心に木を植える」と題しご講演いただきました。環境保全活動で知られるニコル氏は、荒廃した森林を人の手で再生することで生物の多様性を取り戻すことができ、それにより自然から遠ざかっている子供や大人たちの心を豊かにすることができると述べました。また、渡邊幹彦 本学生命環境学部教授が「山の恵みの経済的価値を測る」と題し生態系サービスの経済的効果をもとに、森林の価値を解説しました。
 その後、宮崎淳一 本学教育学部教授による本プログラムの紹介に続き、その研究成果事例として、松本潔 本学生命環境学部准教授が大気汚染物質による森林への影響、本学大学院修士課程2年の石井雄太さんが山岳域における黄砂観測、筑波大学大学院生の井上太貴さんが草原生態系の保全上の重要性についてそれぞれ発表を行いました。
 参加者と講演者との間では活発な質疑応答が交わされ、山梨県における山岳科学の進展や本特別教育プログラムへの期待などが寄せられ、大変有意義な講演会となりました。