【学長対談3】駐日スロヴェニア共和国大使 シモナ・レスコヴァル氏

2017年2月17日

平成28年6月7日(火)
シモナ・レスコヴァル氏
(駐日スロヴェニア共和国大使)

学術・文化について

レスコヴァル大使

  • スロヴェニアはヨーロッパの中心に位置し、文化遺産や伝統料理など多彩な観光資源を持っており、現在は観光産業に力を入れている。課題はEU拡大や難民問題等。
  • スロヴェニアの高等教育はこの20年で様々な改革を経て発展し、学生数も大幅に増加した。外国語教育にも早くから取り組み、スロヴェニアの大学では日本語研究講座や公開講座等も開設されている。日本の大学の留学生・教員・研究者交流が活発に展開されている。

島田学長

  • 卒業生である大村 智 博士のノーベル賞受賞のニュースは、厳しい環境の地方・国立大学である本学に明るい話題をもたらし、学生・教職員のみならず多くの県民が祝福した。大村博士の微生物研究は、在学当時から今日に至るまで脈々と受け継がれている。
  • 少子化や財政問題の中で、地方の国立大学は特色ある教育・研究を行い、その魅力を発信していかないと生き残れない状況。また、地域社会と連携し、課題やニーズに応える教育・研究を通じて、地元出身者が地域で学び、地元で就職できる環境を整えている。

人材育成・研究活動・医療支援等について

レスコヴァル大使

  • 医学・ワイン科学・発生工学など山梨大学の専門性の高い研究を、スロヴェニアの大学は是非見習うべき。未来の発展を描く誇り高き各研究に対して深く尊敬している。
  • スロヴェニアは日本と並んでワイン産業が盛んである。近年日本でも、品質が飛躍的に向上し、市場が急速に拡大しており、大変注目している。国立大学唯一のワイン専門研究機関を有する山梨大学の研究施設や教育体制、真剣に学ぶ学生たちに触れて感激した。スロヴェニアの大学にもワインを研究している機関があり、是非ご紹介したい。
  • 平成27年末に稼働した附属病院新病棟のハイブリッド手術室や放射線治療など最新の医療設備・施設、救急・災害時の医療体制や屋上ヘリポートなどを見学し、山梨大学の地域医療を担う姿勢や医療人を育成する教育システムを知ることができた。これからもさらに研究を重ね、質の高い医療を提供し、生命を守る山梨大学であってほしい。

島田学長

  • 本学では、ワイン・水管理・クリーンエネルギー・燃料電池・発生工学・先端脳科学・医療機器開発など、世界トップレベルの研究が数多く揃っており、今後とも研究成果を世界や地域へ還元することで、大学としての社会的責任を果たしたい。
  • 現在は、本学が誇る強みや特色ある研究を活かして、医学・工学・農学を融合し新たな研究分野を誕生させ、その成果等を大学院教育に展開し、優秀な人材を育成することで、教育と研究の一体化サイクルの構築を全学的に取り組んでいる。