令和2年度「第3回 山梨大学教養教育センター講座」を開催

2020年12月28日 トピックス

 令和2年12月18日(金)、本学・山梨県立大学による合同特別講演会「第3回山梨大学教養教育センター講座」を開催し、両大の学生・教職員約100名が参加しました。
 今回の講座では、杉山歩 県立大国際政策学部国際コミュニケーション学科准教授が「科学技術×伝統技術で実現する地域における価値創造」と題し講演しました。
 杉山准教授は、科学技術振興機構(JST)が推進する、科学技術イノベーションを用いて社会課題を解決する「STI for SDGsアワード」で文部科学大臣賞を受賞した「染色排水の無害化を切り拓く最先端の草木染め」について解説しました。また、革新的なモノや新たな価値観の創造には多様な立場の人たちとの対話が不可欠と述べ、専門分野にとらわれずに多様な分野を学習することの必要性と異分野連携の重要性について説明しました。
 受講者は熱心に耳を傾け、講演後には活発な質疑応答が交わされるなど、有意義な講座となりました。

■染色排水の無害化を切り拓く最先端の草木染め
 水消費量世界2位のファッション産業は、世界の排水量の20%を占めており、特に化学染料の廃液による水質汚染等が大きな社会的リスクとなっています。この取り組みでは、ファッション産業の規範意識を高めるため、化学染料に匹敵する機能を持った天然染料の研究をしました。具体的には①室温15秒で染まり耐光性に優れた天然染料②インクジェット草木染め技術③合繊繊維の草木染め技術の3つの科学技術を活用し、石川県の伝統文化である「加賀友禅」の化学染料から天然染料への移行に成功しました。