附属図書館医学分館「生と死のコーナー」関連イベント講演会「生と死をつなぐケア-コントロールできないものに寄り添うこと」を開催

2019年10月21日 トピックス

 令和元年10月10日(木)、医学部キャンパスにおいて、附属図書館医学分館常設展示「生と死のコーナー」の関連イベントとして講演会を開催し、地域の医療関係者・一般の方・医学生・教職員など約200名が聴講しました。
 今回は、京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻の田村恵子教授をお招きし、「生と死をつなぐケアーコントロールできないものに寄り添うこと」と題しご講演いただきました。
 がん看護専門看護師資格を持ち、緩和ケアの草分けである大阪市・淀川キリスト教病院で27年間にわたり看護師として勤務された経験を持つ田村教授は、体の傷みといった身体的苦痛だけでなく、精神的苦痛、経済的・仕事の問題などの社会的苦痛、スピリチュアルな苦痛などすべての苦痛を意味する「全人的苦痛」に対する緩和ケアの定義や、質の高い緩和ケアの提供のために必要な知識・技術を説明しました。
 また、「エンド・オブ・ライフにあるがん患者へのケア」をテーマに、終末期のがん患者が実際に語った言葉を紹介しながら、医療者のサポートの大切さや、患者の苦悩に対して共に苦しみ、寄り添っていくことの重要性を述べました。
 参加者からは「今日学んだことを生かし、がんと向き合う人たちを支えられる存在となりたい」といった感想が寄せられるなど、有意義な講演会となりました。