博士課程統合応用生命科学専攻生命農学コース3年(当時)の森大輔さんの論文がAJEV Best Paper Awardを受賞

2023年7月14日 トピックス

 令和5年6月28日(水)、74th ASEV(※1) National Conference (Napa Valley, California)において、博士課程統合応用生命科学専攻生命農学コース3年(当時)の森大輔さん(日本振興株式会社からの社会人博士課程令和4年度修了生、指導教員:ワイン科学研究センター鈴木俊二教授)が発表した論文「Electrical Stimulation as a Potential Technique for Enlarging Table Grape Berry Size by Enhancing Cell Division 」が、AJEV(※2) Best Paper Awardを受賞しました。
 この賞は、2022年にAJEVで発表された論文の中から、ワイン醸造分野・ブドウ栽培分野各1題ずつ選出されるもので、今回日本人で初めてブドウ栽培分野で受賞しました。
 この研究は、鈴木教授らが開発した電気刺激処理技術をブドウ樹に施術することにより、生食用ブドウの果実肥大を誘導することに成功し、電気刺激による果実肥大の分子メカニズムの一端を明らかにしたもので、生食用ブドウの高品質生産の指標となる果実肥大を可能とする技術開発につながる研究であることが高く評価されました。
 また、太陽光発電を利用した本電気刺激処理技術は、将来的なスマート農業への活用が可能であり、高品質な果実生産とともに、生産者の収益力に貢献できることが期待されています。
 受賞した森さんは、「今回、世界のブドウ栽培・ワイン醸造を牽引するASEVからAJEV Best Paper Awardという素晴らしい賞をいただき大変うれしく思います。また日本人で初めての受賞という誉れを得るにあたり、ご指導いただいた鈴木俊二教授や共同研究者の皆様、研究室の皆様に心から感謝申し上げます。今後もこの受賞を励みに、社会実装できる技術開発に邁進してまいります」とコメントしています。

※1 American Society for Enology and Viticultureの略
※2 ASEVが発行している学術雑誌American Journal of Enology and Viticultureブドウ・ワインに関する世界でトップクラスの学術雑誌