佐藤玄 工学部特任助教の研究課題がJST戦略的創造研究推進事業さきがけに採択

2021年9月24日 トピックス

 佐藤玄 工学部応用化学科特任助教の研究テーマが、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) の2021年度「戦略的創造研究推進事業(さきがけ)」研究領域「植物分子の機能と制御(植物分子)」の新規研究課題として採択されました。
 「さきがけ」は国の科学技術政策や社会的・経済的ニーズを踏まえて設定された研究開発目標の達成に向けて、独創的・挑戦的かつ国際的に高水準の発展が見込まれる基礎研究を推進し、科学技術イノベーションの創出を目指すネットワーク型研究(個人型)であり、科学技術の若手研究者の登竜門と言われています。
 佐藤特任助教の研究課題は、「計算化学を用いたテルペン環化酵素と酸化酵素の反応機構解析と機能改変」です。医薬品などのリード化合物としても重要である天然有機化合物(天然物)の構造多様性は、骨格構築酵素と修飾化酵素の組み合わせによって産み出されます。本研究では、テルペン環化酵素と鉄依存性酸化酵素をそれぞれのモデルとして取り上げ、量子化学計算と実験化学の両輪を駆使して詳細な反応機構解析を行い、構造多様性創出メカニズムを明らかにすることを目的とします。さらに、タンパク質モデリングソフト Rosetta を用いて天然の酵素を“再設計”し、自然界には存在しない新規骨格を有する新たな植物分子・天然物の創出を目指します。本研究は、有機化学反応機構の解明という学術的な側面だけではなく、「酵素を利用したものづくり」や「創薬研究」への応用も期待される工学的な側面も持ち合わせています。
 佐藤特任助教は、「これまでの研究成果や研究計画の内容が評価され、さきがけ研究員に採用されたことを大変嬉しく思います。良い成果をあげられるよう、一層研究に励んで参ります」とコメントしています。

※2021年度 戦略的創造研究推進事業(さきがけ) 新規採択課題・総括総評
※佐藤研究室HP