宮本和子 医学部教授が研究代表者を務める「タイ肝吸虫症」研究プロジェクトに関する国際会議を開催

2019年11月25日 トピックス

 宮本和子 医学部教授がカンボジアで行っている「タイ肝吸虫症の実態調査」に関する国際会議が、令和元年11月5日(火)に同国において開催されました。
 本学では、AMED(日本医療研究開発機構)医療分野国際科学技術共同研究開発推進事業及びJICA(国際協力機構)草の根技術協力事業の支援により、カンボジア保健省・国立マラリアセンター(CNM)と協力して「タイ肝吸虫症」の実態調査など様々な調査研究・保健対策を実施しています。
 AMED研究代表者及びJICAプロジェクト・マネージャーを務める宮本教授は、平成12年からカンボジアで地域保健活動に従事し、平成18年にカンボジア初のタイ肝吸虫流行地を発見し、その後も継続してカンボジアでの実態解明と予防対策に携わっています。
 今回の会議は、AMEDのプロジェクトの最終年総括会議となり、カンボジア保健省ほか関連省庁・CNM・WHO世界保健機構・各国の共同研究者・在カンボジア日本大使館・国際機関など多方面から多くの関係者が出席しました。
 宮本教授は今回の会議開催を振り返り、「この会議でタイ肝吸虫症がカンボジア国内で広く流行していることを多くの方々と共有できました。この寄生虫感染症は肝臓がんの原因となり、WHOが人類の中で制圧しなければならない熱帯病として定義している『顧みられない熱帯病(NTDs)』の中の重点課題に指定しています。これまでほとんど知られていない病気ですが、今回の会議で保健省内や関連省庁にも理解が広がり、近い将来国家保健対策が策定・実施につながることを願っています。この研究活動は山梨大学のみでなく、AMEDやJICA、複数の日本の大学の協力の下、CNMと強い信頼関係の中で続けられてきました。今回在カンボジア日本大使館の方から『まさにオールジャパンとしての成功例ですね』との感想をいただきました。カンボジアからタイ肝吸虫症がなくなることを目指し、これからも多くの皆さんと協力し、活動を続けていきたいと思います」と述べています。
 また、本会議はカンボジアのテレビ等多くのメディアに取り上げられ、タイ肝吸虫症を現地の人々に知っていただく機会となりました。