医学部附属病院にて防災トリアージ訓練を実施

2018年5月28日 トピックス

 平成30年5月19日(土)、医学部附属病院において防災トリアージ訓練を実施し、本学教職員・学生の他、甲府南消防署、山梨県、中央市、県内医療機関、地元自治会、ボランティアなど総勢601名が参加しました。

 トリアージとは、大規模災害等に多数の負傷者を受け入れる場合、限られた医療資源でできるだけ多くの人を助けるため、重症度により負傷者の搬送や治療の優先順位をつけることを言い、この訓練は今年で15回目となります。

 今回の訓練は「NBC災害対策への第一歩 -その時、何をすべきか-」をキーワードとし、静岡市付近を震源とするマグニチュード8の地震の発生により、県南西部を中心に家屋の倒壊、火災、交通事故等により多数の傷病者が発生、また、地震により中央道や付近の工業団地で化学薬品によるNBC災害患者が発生したと想定して実施しました。

 NBC災害とは、放射性物質や化学物質の漏洩や細菌やウィルスの蔓延などの、通常災害とは異なる特別の装備や対応が必要な災害の総称で、傷病者を重症度により振り分けるトリアージゾーンと診療等を行う各ゾーンの他に、今回初めてNBC災害患者のためのNBCトリアージエリアと除染エリアを設置しました。

 訓練開始時には、院内で非常放送を流し、直ちに設置された防災・災害対策本部が陣頭指揮を取り、情報収集や被災状況の把握を行い、医療資源の効率的な再分配の指示や、院内・各ゾーン等の様々な要望や照会への対応などを行いました。

 現場ではトリアージゾーンや各診療ゾーンを設置し、傷病者を受け入れる態勢を整えました。その後傷病者が運び込まれ、各ゾーンでは医師や看護師を中心としたスタッフが迅速かつ適切な処置を施しました。また、NBCトリアージエリアと除染エリアでは防護服に身を包んだスタッフが、迅速なNBC災害患者の判定と除染用シャワーテントでのNBC災害患者の除染作業を行いました。

 その後、栄養管理部による炊き出し検食が行われ、最後に行われた反省会では、評価点や今後の課題などが話し合われるなど、災害時の対応を考える貴重な機会となりました。