理念・目標・教育に係る4つの方針・学位論文評価基準

理念・目的

豊かな人間性と倫理性を備え、広い知識と深い専門性を有して、地域社会・国際社会に貢献できる人材を養成する教育・研究を行います。

キャッチフレーズ

地域の中核、世界の人材

教育目標

個人の尊厳を重んじ、多様な文化や価値観を受け入れ、自ら課題を見いだし解決に努力する積極性、先見性、創造性に富んだ人材の養成を目指しています。

山梨大学の学位授与方針(ディプロマポリシー)

山梨大学は、「地域の中核、世界の人材」の標語の下、地域の知の拠点として、専門性をもって世界で活躍できる人を育てることを目指しています。「豊かな教養と高い倫理性を身につけた高度職業人の育成」を教育の基本方針とし、学位取得にあたっては、単に知識・技能を獲得するだけにとどまらず、思考力・判断力・表現力・主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ力などに加え、これらを統合的に発揮する力、すなわち「自ら学び、自ら考える力」の獲得を求めます。

そこで、山梨大学では、学部・学科等の教育プログラムで規定される専門知識・技能に加えて、全学的に規定する教養と汎用能力の全てを、教育プログラム毎に設定する水準で達成した学生のみに学位を授与します。

山梨大学卒業生に求められる教養

山梨大学は、「地域の中核、世界の人材」の標語の下、地域の知の拠点として、専門性をもって世界で活躍できる人を育てることを目指しています。そのため卒業生には、大学憲章の「諸学の融合」に対応して、多様な分野の知識の獲得と、それらを結びつけて新たな知を創造できる能力や知を探究する態度が求められます。また、心身ともに健康な生活を送るための知識・技能・態度や、地域・世界で活躍するための基礎となる知識や外国語の運用スキルも求められます。
そこで卒業生には、教養として以下のコンピテンシー(能力・資質)を身につけることを求めます。

  • 多様な知識
    単位を取得した教養教育科目の概要と、重要な基礎的事項を説明できる。
  • 様々な学問分野の考え方
    当該科目の学問分野(人文・社会・自然・健康科学等)の考え方を説明できる。
  • 批評力(1)
    学んだ内容を自らの言葉で的確に論評・伝達できる。
  • 健康維持増進力
    心身の健康を維持・増進する方法について説明できる。
  • 地域理解
    自らの生活の場である地域の特色・課題を説明できる。
  • 異文化理解と外国語リテラシー(2)
    自文化と異文化に対する知識と理解を基に、自己や社会のあり方について相対的視点から意見を述べることができる。
    「英語(3)」で自らの専攻分野(4)の内容を理解し、その内容について簡単に表現することができる。
    「ドイツ語・フランス語・スペイン語・中国語」で基礎的な内容について読み書き、口頭でのやりとり・意思疎通ができる。

(1) ここでいう批評力は、物事を突き詰めて考え、その結果を他者に的確に伝える力を指し、物事を批判する力という意味ではありません。
(2) リテラシーという言葉は元々「読み書きの能力」を指していましたが、現代ではコンピュータリテラシーや情報リテラシーなど、様々な派生語が存在します。これらはすべて「対象となる情報を適切に受け取り、分析・判断し、取り扱えること」、すなわち「運用能力」を指しています。
(3) 英語を母語とする外国人留学生の場合は「英語」を「日本語」と読み替えます。
(4) 「専攻」=「高度」という意味ではなく、「専ら学んでいる分野」と範囲を限定することが狙いです。
注1 上に規定される教養力は全学共通教育科目のみで養うものではなく、専門科目までのカリキュラム(教育課程)全体を通じて養います。
注2 「コンピテンシー」は、生涯にわたって生活し学び続けるために備えるべき能力・資質のことを指します。

山梨大学卒業生に求められる汎用能力

山梨大学は、「地域の中核、世界の人材」の標語の下、地域の知の拠点として、専門性をもって世界で活躍できる人を育てることを目指しています。
そのため卒業生には、思考力・判断力・表現力・主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ力などに加え、これらを統合的に発揮する力、すなわち「自ら学び、自ら考える力」を獲得することが求められます。卒業生には、この基礎となる以下の汎用的能力を身につけることを求めます。

1. コミュニケーション・スキル

  • 読解力:情報の正確さや分析の妥当性などについて吟味しながら学術的な文献を読むことができる。
  • 文章表現力:適切な手順を踏んで学術的な文章を書くことができる。
  • 傾聴力:相手の意見を丁寧に聴き、その意味・意図を自分自身で表現できる。
  • 口頭発表力:自分の意見を、一定の論理的根拠を伴って、わかりやすく話すことができる。
  • 討議力:他者の意見を的確に捉え、理解の深まりや内省につながる対話ができる。

2. 情報リテラシー

  • 情報収集力:図書館やインターネットなどから多様な文献や資料を入手できる。
  • 情報選択力:収集した文献や資料から、適切な情報を選択し、活用できる。
  • 情報倫理力:情報を倫理的、合法的に収集・活用できる。

3. 数量的リテラシー

  • さまざまな情報を統計学的手法などにより、数理的に表現・分析できる。

4. 論理的思考力

  • 情報を多面的・客観的にとらえ、筋道を立てて根拠を示しながら説明できる。

5. 問題解決力

  • 課題設定力:課題を明らかにし、解決すべき「問い」を立てることができる。
  • 構想力:多様な解決方法を案出・検討し、適切な方法を選択できる。
  • 計画力:課題の解決に向けた実現可能な計画を具体的に立案できる。
  • 実行力:計画に従って解決に取り組むことができる。
  • 省察力:取り組みを評価し、解決方法や計画を改善できる。

山梨大学の教育課程編成・実施方針(カリキュラムポリシー)

教育課程編成・実施方針のイメージ

山梨大学は、「地域の中核、世界の人材」の標語の下、地域の知の拠点として、専門性をもって世界で活躍できる人を育てることを目指しています。山梨大学の卒業生は、学部・学科等の教育プログラムが規定する教養、汎用能力、専門能力のすべてを一定の水準で身につけることが求められます。このうち、教養と汎用能力は、在学中だけでなく、卒業後も生涯学び続けるための基礎であり、全学共通教育科目と専門科目を通した学士課程教育全体を通じて養われます。

全学共通教育科目は、「山梨大学の卒業生が備えるべき能力」のうち、「多様な知識の獲得」、「様々な学問分野の考え方」、「批評力」、「健康維持増進力」、「異文化理解と外国語リテラシー」などの基礎、および汎用能力全般の基礎の教育を担います。

一方、専門科目では、各教育プログラムにおける専門的知識・技術の全学習過程を通して、全学共通教育科目で獲得された能力を活用し、問題解決学習科目や実験実習科目・卒業研究で具体的な問題に取り組み、教養力、汎用能力をさらに伸ばします。

学生の学修成果は、シラバスに明記された評価方法及び評価基準に基づいて、授業の到達目標への到達度により評価します。なお、評価についての詳細は教育課程ごとに定めています。

全学共通教育科目の教育課程編成・実施方針(カリキュラムポリシー)

全学共通教育科目は、全学の教員の動員態勢によって実施され、その教育課程(カリキュラム)は以下の方針によって編成されています。

  1. 全学共通教育科目は、「人間形成科目部門」、「語学教育科目部門」、「情報・数理教育科目部門」、「教養教育科目部門」及び「自発的教養科目部門」で構成されています。
  2. 「人間形成科目部門」では、キャリアについての意識の向上と健康的な生活を送るために必要な「健康維持増進力」の育成を目指します。
    また、「異文化理解」と「コミュニケーション・スキル」の習得のための科目も開講します。
  3. 「語学教育科目部門」では、英語及び未習外国語(ドイツ語・フランス語・中国語・スペイン語)が開設され、国際社会で活躍するのに必要な「異文化理解と外国語リテラシー」の基礎的能力の育成を目指します。
    個々の能力にあった習熟度別クラスにおいて技能教育を行い、それぞれの向上を目指します。
  4. 「情報・数理教育科目部門」では、データを用いて有益な知見を引き出す手法である「データサイエンス」に関する科目を開講し、「多様な知識」や「様々な学問分野の考え方」を獲得するとともに、「情報リテラシー」、「論理的思考力」、「問題解決力」に関わる能力を涵養します。
  5. 「教養教育科目部門」は、現代の学問の諸領域を体系化した以下の4つの各分野及び教養発展科目から成ります。
    各分野から少なくとも1つの科目を履修することで、主に「多様な知識の獲得」、「様々な学問分野の考え方」、「批評力」等の能力の獲得を目指します。
    また、協同学習を推進することによって、「コミュニケーション・スキル」に関わる能力を涵養します。各学部、学科で指定されている教養発展科目を履修することで、各自が専門とする学問に必要な教養力、汎用能力の獲得を目指します。

    • <人文科学分野>
      現在の社会が作り上げられてきた思想的、文化的な社会背景への理解は、これからの国際社会で活躍する人材に欠くことのできない教養へと結びつきます。
      人間とその所産を対象とする人文科学分野では、哲学、歴史、文学、芸術等の領域を学びます。
    • <社会科学分野>
      今日の社会が抱える諸課題は、様々な要因が複雑に絡み合っています。それを理解するには、多様な知識を獲得し、それらを基に多面的な視点から、批判的に社会を捉える力が必要です。
      社会の事象・現象を研究対象として捉える社会科学分野では、政治や法、経済・経営、社会と教育等の領域を学びます。
    • <自然科学分野>
      今日の社会では、科学技術がめざましく発達しています。このような科学技術の進展は、社会に大きな影響を与えてきました。自然を理解し、自然に働きかけ、新しいものを創造することが課題になる自然科学分野の各科目では、物理、化学、生物などの基礎科学、技術・工学、さらには融合的な環境や情報等の領域を学びます。
    • <健康科学分野>
      科学技術の進展、医学のめざましい進歩を遂げた今日の社会にわれわれは生きており、健康や医療についての関心が高まっています。これはクオリティ・オブ・ライフ(Quality of Life、QOL)に関連しています。QOLに欠かせない健康や医療に関する基礎的知識を対象とする健康科学分野の各科目では、医学、健康・福祉、スポーツ、栄養等の領域を学びます。
    • <教養発展科目>
      教養教育科目の4つの分野の履修を通して身につけた「様々な学問分野の考え方」や「問題解決力」を生かして、各自の学問への興味、関心を深化させるとともに、各専門分野における汎用能力(「コミュニケーション・スキル」、「情報リテラシー」、「数量的リテラシー」、「論理的思考力」、「問題解決力」)を身につけ、豊かな教養へと結びつけるための科目です。
      学部学科により、1年次または2年次に履修します。必修2単位です。
  6. 「自発的教養科目部門」は学生の自律的な学習能力、及び実践的な能力を涵養し、リベラルアーツの実践を後押しすることを狙いとしています。自発的教養科目には、「自発的教養(ボランティア活動)」、「自発的教養(実践的研究活動)」、「自発的教養(地域課題実践活動)」、「自発的教養(実践的キャリア形成活動)」の4つがあり、いずれも教員の指導の下で、あらかじめ定められた活動を行います。
  7. 全学共通教育科目の成績は、各科目が担保する能力毎に評価します。成績は各能力の獲得度合いを100点満点で表し、各能力の獲得度合いが全て6割以上の場合に所定の単位を認定します。

山梨大学の入学者受入方針(アドミッションポリシー)

 本学のアドミッションポリシーは、まず、山梨大学が求める人物像と入学者に求める資質・能力を示し、学部ごと、および学科・コース等ごとに、育成目標、入学者に求める資質・能力、人物像、入学前に学習しておくことが期待される内容、試験区分別の入学者選抜の基本方針を示しています。
 そのうち、育成目標は、本学のディプロマポリシー(学位授与方針)、カリキュラムポリシー(教育課程編成方針)との一貫性を意識し、入学後にどのような力を発展・向上させるのかを簡潔に示したものです。入学者に求める資質・能力、人物像には、入学前にどのような多様な能力をどのようにして身に付けてきた学生を求めているか、入学後にどのような能力をどのようにして身に付けられる学生を求めているかなどを示しています。試験区分別の入学者選抜の基本方針は、入学者選抜において、アドミッションポリシーを具現化するためにどのような評価方法を多角的に活用するのかなどを説明しています。
なお、入学前に学習しておくことが期待される内容も学部ごと、および学科・コース等ごとに示していますので、希望する学部、学科・コースに合わせて、高等学校での学習の参考にしてください。

<求める人物像>

山梨大学は、「地域の中核、世界の人材」の標語の下、地域の知の拠点として、専門性をもって世界で活躍できる人を育てることを目指しています。これを実現するため、学部・学科などの教育プログラムには、その修了に必要な教養、汎用能力、専門能力をすべて身につけられるカリキュラムが編成されています。本学では、これらのカリキュラムを知的好奇心をもって継続的・主体的に修得して卒業し、専門分野に関する高度な能力を通じて社会に貢献する志をもつとともに、入学時において以下のような基礎的な資質能力を有する人を求めます。

<入学者に求める資質・能力>(1)

高等学校で履修する、国語、地理歴史、公民、数学、理科、外国語等について、内容を理解し、高校卒業程度の知識を有している人その他、各教育プログラムの学修に必要な資質・能力(思考力・判断力・表現力など)を有する人

(1) ここでは入学試験で評価できる項目のみが挙げられており、順法の精神など、社会通念上大学生が当然備えているべき項目までは記載していません。

山梨大学の成績評価方針(アセスメントポリシー)

成績評価方針

本学のすべての授業科目において、考慮すべき成績評価上の方針を示しています。
成績評価を行うには、授業科目の到達目標の達成度を評価するための適切な成績評価方法が定められ、具体的な評価方法と割合がシラバスに明記される必要があります。成績評価は、授業期間中に行われる唯一回の試験やレポートによって為されるのではなく、授業の進展に伴い適切なタイミングで適切な回数の適切な方法による評価を重ねることで為されることが求められます。ここで適切な方法とは、教室における筆記試験に限らず、学修内容の定期的な振り返りや、学修内容を活用した演習や課題、複数の学生が協力して行うグループプロジェクトの総括報告やプレゼンテーション、さらにはクラスでの発言や質問、グループディスカッションへの貢献、プロジェクトや課題への積極的な取り組み、学生同士の相互評価など、多岐にわたる方法が想定され、教員は創意工夫を重ねて適切な到達目標に適した成績評価方法を定めて評価する必要があります。
また、成績評価の透明性と公正性を担保するために評価基準をあらかじめ学生に提示するとともに、学生に迅速なフィードバックを提供することも求められます。教員は、定期的に評価方法の効果や適切性を検証し、改善に努めることが求められます。また、学生からのフィードバックを収集し、評価方法の改善や進化に役立てることも重要です。
AI対話サービスの急速な進展に伴い、従来から行われてきた単純な問いに対するレポート課題などは成績評価において意味をなさなくなったことも考慮する必要があります。将来を見据え、それらの新技術を学生が活用することを短絡的に禁止するのではなく、倫理的に正しく有効に活用しつつ、学生の学修の進展と能力開発を強化する成績評価方法を開発・適用することが期待されます。

学部・大学院ごとの理念・目標と教育に係る3つの方針

大学

教育学部 医学部 生命環境学部

大学院

理念・目的

現代社会が直面する課題の解決に応用でき、また、これら応用研究の基礎となる学術研究を、国際的視野を持って創造的に推進する優れた研究者並びに高度で専門的な知識と能力を有する職業人を養成する教育・研究を行います。

教育目標

山梨大学大学院では、「地域の中核、世界の人材」の標語の下、幅広い教養と汎用能力及び専門分野の知識と技能を身に付け豊かな人間性と専門性をもって国際的にも活躍できる人材を育成します。
このような人材の育成を実現するため、大学院課程における「学位授与の方針」、「教育課程編成・実施の方針」、「入学者受入れの方針」を定めます。

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

山梨大学大学院では、教育目標に定める人材を育成するため、所定の期間以上在籍し、全学的に定められた教養と汎用能力と各教育課程で定めた専門知識・スキルを身に着け、定められた審査等に合格した学生に対して学位を授与します。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

山梨大学大学院では、学位授与方針に掲げる知識や能力を修得できるカリキュラムを体系的に編成します。授業の到達目標を設定し、学生が適正な学修を通じて到達目標を達成できるように授業を実施します。
学生の学修成果は、シラバスに明記された評価方法及び評価基準に基づいて、授業の到達目標への到達度により評価します。なお、評価についての詳細は教育課程ごとに定めています。
学位論文については、厳格で透明な論文審査を行います。

入学者受入れの方針(アドミッション・ポリシー)

山梨大学大学院では、以下のような能力や意欲を備えた人々を積極的に受け入れます。
・知的好奇心が旺盛で、自ら研究を行う意欲のある人
・これまで以上に幅広い教養や汎用能力の習得に意欲があり、かつ高度な専門的知識や応用能力を修得したい人
・論理的な思考力や豊かな人間性を備え、地域や国際社会でリーダーとして活躍したい人
・職業経験に基づいた知識や技能を高度化、深化させたい人

 

教育学研究科医工農学総合教育部修士課程 医工農学総合教育部博士課程

特別専攻科

特別支援教育特別専攻科

大学院における学位論文評価基準

修士課程
博士課程