COC特別講演会「風土と食べもの -水と火山と植物の日本列島-」を開催

2015年10月27日 トピックス

 平成27年10月14日(水)、大妻女子大学名誉教授 井上 栄 先生をお招きし、COC事業の一環として「風土と食べもの -水と火山と植物の日本列島-」と題した特別講演会を開催しました。

 欧米の麦作土の将来、多雨地帯モンスーンアジアの大河デルタでの水稲の連作、日本やインドネシアにおける火山島での稲作、地形や地質、肥沃な土地を維持してきたシステムなど、日本と欧米との食材の違いを歴史や風土という大きなスケールからご講演いただきました。

 日本の肥沃な土壌は火山島である恩恵によるもの、日本列島が、噴火・地震・津波が起こる天災の地であるがために、植物の種類が豊富で、多様な食べものが発達してきたという天恵の地でもあること、また日本人の文化や思想に基づいた和食について、改めて考えさせられる機会となりました。

 本講演会には学内外から約80名が参加し、講演後の質疑も熱心に行われました。

 本講演会を行うに当たりまして、井上先生にはお忙しい中ご準備をいただき、質疑にも丁寧にお答えいただきました。この場を借りて深く御礼申し上げます。

【井上 栄 先生 紹介】

 井上先生は昭和15年に山梨県でお生まれになり、昭和33年に甲府第一高校を卒業後、東京大学医学部へ進学され、昭和44年に同大学大学院博士課程を修了されました。

 その後、国立感染症研究所等で感染症予防の研究に従事し、定年退職後は、大妻女子大学食物学科にて12年間「健康教育」について教鞭を執られました。

 現在は母子手帳を若い人に活用してもらう運動を通じて、少子化対策および子供虐待防止に取り組んでいます。